2. WD RedとSynology DiskStationによる快適NASの構成

ここでは本記事で組み立てるNASの構成についてより詳しく説明したい。より快適に使える仕様を目指して、4ベイのNASとしては、ほぼ全部入りとなる贅沢な仕様だ。

1 NAS本体 : Synology DiskStation DS920+(/JP)

NAS本体には、Synology DiskStationの4ベイモデルの中でも、高性能で拡張性が高い、DS920+を選択した。Plusシリーズのため、基本性能が高く、複数ユーザーの同時利用やメディアファイルのインデックスも高速に処理される他、メモリ増設や、SSDキャッシュ用のNVMe SSDの増設に対応する。なお、DS920+の”9”は拡張ユニットを追加することで、最大9台までのハードディスク(またはSSD)まで増設可能であることを意味する。拡張する際は、DX517という拡張ユニットを別途用意すればいい。なお、型番の末尾に”/JP”がつく、JP版のDiskStationは国内代理店フィールドレイクのオリジナルSKUで、Synologyの初心者ガイドに加えて、様々な機能から目的別に使い方を説明した、目的別ガイドブックが付属する。

Synology DiskStation DS920+(/JP)
CPU : Intel Celeron J4125 (64bit/4-Core 2.0/2.7(Burst)GHz)
メモリ : 4GB DDR4 (本記事では4GB増設して8GBで使う)
ドライブベイ : 4ベイ(拡張ユニットDX517利用時最大9ベイ)
LANポート : 1GbE × 2 (Link Aggregation / フェイルオーバー対応)
USB 3.2 Gen1ポート : 2
eSATAポート : 1
最大ユーザーアカウント数 : 2,048
最大ローカルグループ : 256
最大共有フォルダ数 : 512
最大同時接続数 : 1,000 (SMB/NFS/AFP/FTP)
消費電力 : アイドル時9.69W(アクセス時32.17W)
重量 : 2.24kg
https://www.synology.com/ja-jp/products/DS920+

Synology DS920+
JP版には初心者ガイドの他に、目的別ガイドブックが付属する

2 ハードディスク : WD Red Plus 8TB WD80EFZZ × 3

4ベイのNASなので、RAIDの容量効率を考えて、4台のハードディスクを使いたいところだが、今回はVMMのWindowsをより快適に使用するために、1台をSSDにするので、ハードディスクは3台とした。モデルは先日(2022年2月18日)発売されたばかりのRed Plus WD80EFZZを選択した。

WD Red™ Plus NAS Hard Drive 3.5インチ 8TB
容量 : 8TB
回転数 : 5,460rpm
キャッシュ : 128MB
https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/internal-drives/wd-red-plus-sata-3-5-hdd#WD80EFZZ

CMR記録方式が採用されたRed Plus

3 SSD(VMM用) : WD Red SA500 SATA SSD 500GB WDS500G1R0A

NAS自体はOSのアップデート時を除いて再起動することは少ないためHDDで十分だが、VMMに入れるWindowsなどのOSはシャットダウンや再起動を頻繁に行うことを考えると、より高速なストレージが望ましい。ここではHDDではなくSSDを使用し、なかでもNAS用途にも向いているWD Red SA500を選択した。

WD Red™ SA500 NAS SATA SSD 2.5インチ 500GB
容量 : 500GB
インターフェース : SATA
https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/internal-drives/wd-red-sata-2-5-ssd#WDS500G1R0A

耐久性を高めたRed SA500 SSD

4 SSD(SSDキャッシュ用) : WD Red SN700 NVMe SSD 250GB × 2

DiskStationは、頻繁にアクセスするファイルの読み書きパフォーマンスを向上させるSSDキャッシュに対応する。DS920+は専用のNVMe SSDスロットを2基備え、キャッシュ用のSSDを2台まで増設できる。1台のみの場合は読み取りキャッシュのみとなるが、2台使えば、読み取りと書き込み両方のキャッシュが使える。ここでは、NVMe SSDの中でも高い耐久性があり、NAS用途でもおすすめできるWD Red SN700 NVMe SSDを選択した。Synologyでは24TBのボリュームで400GB程度のSSDキャッシュを推奨しているが、8TB × 3台、RAIDで16TB程度のボリュームサイズとなるので250GBのものを2台用意した。

WD Red™ SN700 NVMe SSD 250GB
容量 : 250GB
インターフェース : NVMe (PCIe Gen3 ×4)
https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/internal-drives/wd-red-sn700-nvme-ssd#WDS250G1R0C

SSDキャッシュでも使える、Red SN700 NVMe SSD

5 増設メモリ : Synology D4NESO-2666-4G

DS920+は標準で4GBのメモリを搭載しているが、追加の増設により8GBまでの拡張が可能だ。NASのみであれば4GBあれば十分だが、VMMでWindowsも動作させるとなるとやや心もとない。またSSDキャッシュ1GBあたり416KBのシステムメモリが必要となる。ここでは4GBを追加してトータル8GBとしている。メモリ自体は260pin DDR4-2666と標準規格のものだが、動作検証が取れているSynology純正品を使う方が確実だ。

Synology D4NESO-2666-4G
https://www.synology.com/ja-jp/products/DDR4

Synology純正のDDR4 4GB増設メモリ

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